インプラントの歴史について

インプラントは、新しい治療法であるというイメージがありますが、紀元3世紀頃のローマ時代の人骨からすでに鉄製のインプラントが埋め込まれているのが発見されています。歯を失ってしまうと、噛みにくいだけでなく、話しにくい、見た目が良くないなどのデメリットが多くあります。古代の時代から、人々は失った歯の代わりになるものを探していました。貝や金、エメラルド、サファイア、アルミニウムなどの宝石や金属を使用していましたが、どれも長期間の使用には耐えることができませんでした。

現在使われている、チタン製のインプラントが登場したのは、1965年になってからです。チタンは、アレルギーを起こしにくい金属で、骨と結合するという特徴があります。そのため、長期間安全に失った歯を補う治療に役立っています。時代を経るにしたがい、より骨と結合する形状や治療法が開発され、治療を提供する歯科医院の数も増えました。

コンピューターで事前シミュレーションすることで、どこの部位にどのように埋め込めばいいかまでを計算することもできます。これにより、当日の手術時間が大幅に短縮されるばかりか、確実なインプラント治療が行えるようになりました。手術で必ず必要だった、メスによる歯茎の切開を行わなくても済む術式もあり、患者さんの負担も減っています。普及により治療費も少しずつ下がっているので、経済的な負担も減り、インプラント治療を希望する患者さんが増えています。

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